上の子が4歳になり絵本以外でも語って聞かせることが出来るようになってきたので、せっかくなので外国のお話を…と思い手に取りました。
「子どもに語るロシアの昔話」 – 2007/3/1 伊東 一郎 (翻訳), 茨木 啓子
本の概要
バーバ・ヤガー、火の鳥などが登場するロシアの昔話13編が収録されています。日本の子ども達にとっても親しめる、読んであげるなら4歳頃から、自分で読むなら小学校中学年程度からのお話が厳選されています。「ロシア民衆昔話集(アファナーシエフ)」から抜粋されたそうです。
魅力的な13編の昔話
短くてリズムが良く、4歳の子でも集中して聞くことが出来たのは「小さいゆきむすめとキツネ」「ネズミの御殿」「おなかの皮がぼろぼろにむけた牝ヤギのお話」などです。繰り返しの詩文が用いられているので、テンポ良く良く読み聞かせることが出来ます。
登場人物が個性的で滑稽(こっけい)な味わいのあるお話もあれば、動物達が繰り広げる愉快なお話、勇敢な王子を称えるような王道的なもの、優しい娘が苦難を乗り越えて幸せになる教訓的なお話などがあり、ペチカ(暖炉/オーブン)、蒸し風呂(サウナ)、ルバーシカ(スモック風上衣)などロシアの厳しい寒さを想起させるような小道具の数々が存在感を放っています。
寒さと共にある民衆の暮らしと密接に結び付いており、村々で子ども達を楽しませるために長年語り継がれてきた昔話がロシアには沢山あり、それらの中でも親しみやすくロシア児童文学の魅力を凝縮したような13編が選ばれていると思います。
バーバ・ヤガー
ロシアの昔話において、恐いものの代表格の存在が「バーバ・ヤガー」ではないでしょうか。森の奥に住んでいて、魔法使いで、人を喰う恐いおばあさんとして描かれるバーバ・ヤガー。ムソルグスキーの「展覧会の絵」にも登場します。本作にも登場しますが、「バーバ・ヤガー」の出てくる絵本は国内でも沢山出版されています。
この恐いおばあさんのところに理不尽に行く羽目になった主人公が、毅然と立ち向かい最終的に幸せになるお話の筋立ては、子ども達の心を惹きつける要素に溢れています。
最後に
文字が普及するのがヨーロッパ諸国に比べて遅かったというロシアには、人から人へ語り継がれてきた昔話が多く存在するそうです。今こそ文化芸術の方面からロシアを見つめてみようと思います。
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