与那原のお土産「ケイビン焼き」と「カナチ棒コロッケ」

先日ふらっと「ファーマーズマーケット与那原あがりはま市場」に立ち寄った際、「ケイビン焼き」と「カナチ棒コロッケ」なるものを見つけました。

お昼どきだったので「お食事のおともにどうですか?」というキャッチコピーにも惹かれ、両方とも購入してみました。

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ファーマーズマーケット与那原 あがりはま市場

「ファーマーズマーケット与那原 あがりはま市場」は、与那原の東浜にあります。地元の採れたて野菜コーナー、精米コーナー、食肉コーナー、お惣菜コーナー、特産品コーナーなど盛りだくさん。観光客にも地元の人にも喜ばれる品揃えです。

住所:与那原町字東浜89番104

営業時間:9:00-19:00

定休日:正月(1/1-1/3)、旧盆の最終日、年間4日間

駐車場:あり(89台)

ケイビン焼き

「ケイビン焼き」とは、ドラゴンフルーツ入りのモチと北海道あずきのつぶあんをはさんだ大判焼きで、戦前沖縄に走っていた軽便鉄道のイラストが描かれています。

生地はふんわりしていて、つぶあんとモチとの相性がとても良く、1個のサイズが割と大きめでしたが甘すぎないのであっという間に食べられました。

ちなみに、本物のドラゴンフルーツももちろんありました。

見た目もかわいく、味も美味しい、そして手頃な大きさなので、手土産や差し入れなどにも喜ばれそうだと思いました。

与那原チトゥぬ家 いちゃりば』さんが作っているそうです。オーナーの上原さんが、与那原町の新名物に!と一念発起してお店をオープンされたのだそう。

ちなみに、「あずきのあんこ+ドラゴンフルーツのお餅」と「黄金芋のあんこ+ドラゴンフルーツのお餅」の2種類があるそうですが、今回は入手できませんでしたが、黄金芋は沖縄八重瀬町久高島産の芋が使用されているようなので、こちらも気になります。

沖縄の軽便鉄道

「ケイビン焼き」を頬張ることによって、「軽便鉄道」について思いを馳せることができるのが良いですね。30代の私にとって軽便鉄道は全く馴染みがなく、「戦前沖縄にも鉄道走ってたらしい」程度のことしか知りませんでした。

「軽便鉄道」とは「ケービン」の愛称をもって県民に親しまれた鉄道で、太平洋戦争によりその足が止められてしまうまでの約30年間、県民の暮らしを支え続けました。

沖縄には、かつて鉄道が走っていました。
那覇から嘉手納・糸満そしてここ与那原の3方面に敷設された路線網です。

「軽便鉄道(けいべんてつどう)」と呼ばれる、一般の鉄道よりも軌間の小さなその鉄道は「ケイビン」「ケービン」の愛称をもって沖縄県民の生活と経済を支え続けてきました。

さらにここ与那原町の「軽便与那原駅」は1914年12月、沖縄で一番最初に開通した路線「与那原線(那覇-与那原)」の終着駅でもあったのです。

引用:与那原町立軽便与那原駅舎

太平洋戦争末期になると実質的に軍用鉄道となる。連合国軍上陸による破壊。朝鮮戦争での鉄不足によりレールが取り除かれる。米軍基地建設等により鉄道敷地が分断される。

ケービンは戦争の歴史と常に同居しており、その歩みを振り返ると胸が痛みますが、その小さな愛らしい鉄道が活躍していた約30年間を想像すると駅舎の賑わいや人々の笑顔が見えるようです。

カナチ棒コロッケ

与那原名物のひじきが入った「かなち棒コロッケ」は、「ケイビン焼き」同様『与那原チトゥぬ家 いちゃりば』さんが作っています。

与那原といえば「与那原大綱曳」が有名ですが、綱引の雄綱と雌綱をつなぐ「カナチ棒」にちなんで「カナチ棒コロッケ」と名付けられたそうです。

与那原大綱曳

与那原大綱曳は琉球王朝自体に始まったとされ、440年余りの歴史がある豊作祈願の神事。全長約90メートル、重さ約5トンの綱を東西に分かれた人々で引っ張り合います。

2019年、地域活性化センターが主催する「ふるさとイベント大賞」において「大賞(内閣総理大臣賞)」を受賞したようです。

那覇、糸満と並び沖縄の3大綱引となっていますが、特徴は以下の通りとのこと。

与那原大綱曳は、他の綱曳とは違う大きな特徴があります。それは、綱の上に支度を乗せることから始まり、綱曳が終了するまでの一連の流れに区切りがなく、すべてが連続した動きであるということです。それぞれの流れを整理すると

  1. 支度が綱に乗る
  2. 綱係の合図に丸太(担ぎ棒)で担ぎ上げる体制に入る
  3. ボラ・鉦鼓(そーぐ)の音で「サー」の掛け声のもと、綱を担ぎあげる
  4. 東西の綱を寄せ合い、六尺棒で雌雄のカナチを結合させる
  5. カナチ棒をいれる
  6. カナチ棒が入ると同時に綱を落とし曳く。その時に支度は綱から飛び降り、丸太(担ぎ棒)を綱の下から引き抜くという流れです。

特に(5)のカナチ棒が入ってから綱曳が始まるまでは、あっという間の出来事ですが、この流れこそ他の地域にはない与那原大綱曳の醍醐味であり最大の特徴なのです。また、綱を曳く時も単に「引きずる」のではなく、綱本体を上下させながら(地面に叩きつけながら)曳きます。

解説:与那原綱曳資料館館長 上原正己さん

引用:与那原大綱曳

カナチ棒は、与那原大綱曳にはなくてはならない重要なものなんですね。カナチ棒コロッケは可愛らしいですが、実際のカナチ棒は長さ3mほどある大木だそうです。

与那原町を愛する心が生んだご当地グルメ

「ケイビン焼き」も「カナチ棒」も、作り手の与那原町を愛する心が生んだご当地グルメです。

手頃なサイズとボリュームですので、差し入れなどにも喜ばれそうだし、キャッチコピー通り食事のお供にうってつけです。

地元の素材を使い、地元にちなんだネーミング、まさに与那原を代表するお土産です。

「ファーマーズマーケット与那原あがりはま市場」に立ち寄る方にはぜひ手に取って欲しいです。

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