会社員の選択肢:FIREのソフトランディング術は休職?

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4月に面談して退職届を提出、溜まった年休を消化して、6月末か7月末には会社を離れる。そんなイメージを描いていましたが、実際には少し違う展開になりました。

上司との面談は、いわゆる感情的な引き止めではなく、かなり整理された対話でした。仕事の負荷はどこにあるのか、その原因は何か、どうすれば改善できるのか。ひとつひとつ言語化されていく中で自分の中にあった「退職する理由」が、少しずつ輪郭を失っていく感覚がありました。

結果として、退職は一旦保留という形になりました。年休を消化しながら心療内科を受診し、状況によっては休職も含めて再検討する。最初に思い描いていた流れとは、だいぶ違う着地です。

さらに現実的な話として、心療内科はどこも予約が数週間先まで埋まっていました。それだけ多くの人が同じような状況にあるのだと感じると同時に、自分もその一人であることを実感しました。

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想定外だった「休職」という選択肢

これまで「休職」という選択肢はほとんど頭にありませんでした。
FIREをするなら退職する。それ以外の道は考えていなかったからです。

ただ、話を聞いたり制度を調べたりする中で、少し見え方が変わってきました。傷病手当金という形で一定の収入があり、社会保険も維持される。さらに所得が下がることで税負担にも影響が出る。
こうした要素を並べてみると、休職は単なる一時的な回避ではなく、ひとつの選択肢として成立しているように思えてきました。むしろ、状況によっては合理的ですらあるのかもしれません。

FIREという文脈で考えると、退職と休職は似ているようでいて、実際にはかなり性質が異なります。

退職はシンプルで、完全に会社から離れることができます。その代わり、収入は途切れ、生活はすべて資産に依存することになります。一方で休職は、完全な自由ではないものの、一定の収入と社会保険という枠組みが残ります。

この違いが最も大きく表れるのは、退職直後の数年間だと感じています。

退職した場合、前年の所得に基づく住民税や健康保険料がそのままのしかかってきます。収入はないのに支出だけが大きい、という状態になりやすい。一方で休職を選ぶと、所得は抑えられ、結果として翌年の税負担も軽くなる可能性があります。さらに社会保険も継続されるため、固定費の面でも差が出てきます。

この違いは一見すると小さく見えますが、FIREの初期段階においては、資産の減り方にじわじわと影響してくるように思えます。

会社員における選択肢:「休職から退職」 vs 「即退職」

両ケースにおけるメリット・デメリット

AIを活用して表にしてもらいました。こうして比較してみると、どうしても会社が受け入れられないという場合を除いて、休職制度の活用が合理的だと感じました。

🌿 休職 → 退職ルート ⚡ 即退職ルート
お金
(給付・保険)
傷病手当金を受け取れる
最長1年6ヶ月、標準報酬の2/3。月収30万なら最大約324万円の上乗せに。
給付を受け取れない
退職日翌日から健康保険・年金を自分で切り替え。受給機会をすべて失う。
FIRE生活
の試運転
「お試し期間」として使える
収入がある状態で退職後の生活リズムを体験。FIRE向きか見極められる。
いきなり本番
退屈・孤独・生きがい喪失に気づいても、戻る場所はない。ミスマッチリスクあり。
精神的
ストレス
会社との関係が続く
「いつか復帰?」という曖昧な状態が続き、心理的プレッシャーが残りやすい。
即・完全解放
職場との関係が完全に切れ、精神的にすっきりした状態でFIRE生活をスタートできる。
手続きの
複雑さ
管理すべき事項が多い
傷病手当の申請・定期的な診断書・会社とのやり取りが続く。休職中の手続き負担が高い。
一度で完結する
退職手続きを済ませれば、会社とのやり取りは終わり。シンプルに前進できる。
資産の
取り崩し
資産を守れる
給付金がある間は投資資産に手をつけなくて済む。複利効果を守れる。
取り崩しが早まる
退職翌月から生活費を資産で賄う必要があり、長期運用計画に影響が出る。
退職金・
勤続年数
勤続年数を伸ばせる
休職中も在籍扱いのため、退職金や勤続年数ベースの優遇が加算されるケースも。
即カウント停止
退職金・勤続年数の加算がその時点で止まる。タイミング次第で損になることも。
意思決定
の明確さ
「復職か退職か」が残る
休職中に会社から復職打診が来ることも。意志が揺れるリスクがある。
迷いがない
決断が一度で完結。FIRE後の生活設計に集中できる。
向いている人 傷病手当の受給条件を満たしている/FIRE生活に不安がある/資産がギリギリFIREライン 資産に十分な余裕がある/職場ストレスが深刻/FIRE生活に強い確信がある

休職から退職へのプロセス

実際に休職から退職へのプロセスについても、整理してもらいました。

ステップ1:FIRE達成条件の確認

退職を考える前に、資産残高・年間生活費・投資リターンの想定を整理します。「年間支出 × 25倍の資産」(4%ルール)が一般的な目安です。また、配偶者やパートナーへの事前説明と合意形成が後々のトラブルを防ぎます。

ステップ2:休職制度の活用申請

会社の就業規則を確認し、利用できる休職制度を把握します。私の会社の場合には休職制度があったので、傷病就職という流れになりそうです。

  • 傷病休職:医師の診断書が必要。健康保険から傷病手当金(標準報酬月額の2/3、最長1年6ヶ月)を受給できる。
  • 自己都合休職(リフレッシュ休暇など):会社によって制度がある場合も。無給になることが多い。

人事部門や上司に早めに相談し、申請書類・診断書などを準備します。

ステップ3:休職期間中の見極め

休職期間は「FIRE生活のリハーサル」として活用できます。

  • 毎月の生活費が実際にどのくらいかかるか体感できる
  • 「働かない日常」が自分に合っているか確認できる
  • 社会的つながりや生きがいについて深く考える時間が生まれる

この期間に復職の意思がないと固まれば、次のステップへ進みます。

ステップ4:退職の手続き

法律(民法627条)上は2週間前の申告で退職可能ですが、就業規則では1〜3ヶ月前の通知が求められるケースがほとんどです。退職届の提出後は、業務の引き継ぎ・社内システムのアクセス停止・各種返却物の確認を行います。

ステップ5:退職後の諸手続き

退職日翌日から保険・年金の切り替えが発生します。

  • 健康保険:任意継続(退職前の保険を最大2年間継続)か国民健康保険への切り替えを選択
  • 国民年金:第2号被保険者から第1号へ切り替え。免除申請も検討
  • 住民税:翌年6月まで前年分を請求される。一括 or 分割払いを選択
  • 確定申告:退職年は年末調整が受けられないため自分で申告

 

初期の安定性という観点

FIRE計画において、シミュレーション上では長期的に見れば成立するケースが多いかもしれません。ただ、実際の運用では最初の数年の影響が想像以上に大きいとも感じています。
もしFIRE直後に相場が下がった場合、退職していると生活費はすべて資産から取り崩すことになります。その状態で下落を受けると、回復に時間がかかる可能性があります。
一方で休職している場合は、少なくとも一定期間は資産に手を付けずに済む可能性があり、結果として、相場の回復を待つ余裕が生まれるかもしれません。
この「時間を持てるかどうか」という差は、あとから効いてくるように思えます。

当初の計画とは少し異なってきましたが、FIREのソフトランディングとして休職という選択肢をもって、まずは疑似FIRE生活が送れるようにしていきたいと思います。

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