ひめゆり平和祈念資料館(2021年4月20日リニューアルオープン) 

2021年4月12日に沖縄県糸満市にある戦争博物館「ひめゆり平和祈念資料館」がリニューアルオープンしました。

「戦争からさらに遠くなった世代へ」をテーマとして戦後生まれの職員がリニューアルを手掛けたそうで、「ひめゆり学徒隊」として太平洋戦争末期の沖縄戦に動員される前の「笑顔の学生生活」が以前よりも力点を置いて展示されることによって、戦後生まれの人にとってもさらに理解しやすくなっており、戦争の悲惨さがより浮き彫りになっています。

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ひめゆり平和祈念資料館はどこにある?

ひめゆり平和祈念資料館は沖縄県糸満市にあります。同市にある平和祈念公園の敷地内にある「沖縄県平和祈念資料館」とは別物で、そこから車で約10分程度の離れたところにあります。

ひめゆり平和祈念資料館の地図や場所を以下に掲載します。

【住所】〒901-0344 沖縄県糸満市字伊原671-1

ひめゆりの塔

ひめゆり平和祈念資料館の敷地には、終戦の翌年に建てられたひめゆりの塔という記念碑があります。戦禍において多くの犠牲者を出した、沖縄陸軍病院第三外科が置かれた壕の跡に建てられました。

2021年4月12日に2度目のリニューアル

同資料館がリニューアルされるのは2度目だそうです。

1989年に開館、2004年に1度目の改装が行われ、2021年4月12日に2度目のリニューアルオープンをコロナ禍の影響による延期の末に果たしました。

前述したとおり、戦後生まれの館長のリードにより戦後世代にとっても分かりやすい工夫が施されており、イラストや動員前の学生生活がよく分かるような写真がふんだんに取り入れられています。

所要時間

2度の改装を果たしたことにより展示内容が増えています。映像や元学徒の証言のひとつひとつをどれだけゆっくり見るかにもよりますが、2時間程度は確保していた方が良いかと思います。(団体利用などでプログラムを組んで訪問する場合など以外の、個人で訪れる場合です。)

その他

リニューアルオープン時に入館料の改定(値上げ)があったようです。

毎年、慰霊の日(6月23日)には入館が無料になります。

開館時間、アクセス、入館料などの正確な情報については公式ウェブサイトをご確認ください。

ひめゆり平和祈念資料館公式ホームページ

ひめゆり平和祈念資料館の構成

ひめゆり平和祈念資料館の展示は以下のように構成されています。

  • 第一展示室:ひめゆりの青春
  • 第二展示室:ひめゆりの戦場
  • 第三展示室:解散命令と死の彷徨
  • 第四展示室:鎮魂
  • 第五展示室:回想
  • 第六展示室:平和の広場

「ひめゆり学徒隊」とは、戦時下において沖縄陸軍病院で看護活動にあたらせるために動員された、現在の那覇市安里にあった二つの学校で学んでいた教師・女子生徒らの呼称です。生徒222名、教師18名が南風原の沖縄陸軍病院に動員され、そのうちの136名が戦場で命を落としたそうです。

那覇の学校で青春を送っていた女の子達が、勝つと信じ込まされていた戦争の看護活動に動員され、阿鼻叫喚な現実に巻き込まれて過程を見ていくうちに、胸がつまり言葉がなくなります。

この女の子達にも私達と同じような学校生活や青春があったのだと分かることで、より追体験をしやすくなっており、戦争の恐ろしさをより理解しやすくなっていると思います。

戦後76年

2021年は戦後76年に当たります。戦時下においては、「ひめゆり学徒隊」の生徒達だけでなく全県の学生達が戦争に巻き込まれました。もう76年前、たった76年前です。多くの若者を含む沢山の命を奪った戦争とは一体何だったのか、リニューアル後の来館で新たな角度から見つめ直すことが出来ました。個人的には、年齢を重ねるにつれて見えてくるものも変わるので、折に触れて来訪する必要があるなと思いました。

ひめゆり平和祈念資料館は、終戦後、自分だけ生き残って申し訳ないという罪悪感や、もうこの土地を訪れたくないという思いを持ったひめゆり同窓生達が、それでも戦争の恐ろしさを後世に伝えなければならないという思いを持ち、設立された資料館です。

リニューアルのこの機会に、是非多くの人に訪れてほしいです。

 

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